公立か私立か学校の選択に迷う親御さんへ
まず大前提として「勉強は自分でするもので、他から教わるものではない」ということです。
例えば、東進ハイスクールという大手の予備校がありますが、すべて映像による自学自習のスタイルです。専門性の高い有名な名物講師の授業を誰でも好きな時に好きなだけ映像を見て勉強ができます。中学の学習塾や個別指導のように講師が直接教えてくれるスタイルとは全く違います。それでも有名な大学に次々と合格していきます。分かりやすく、的を絞った工夫された面白く講師の個性豊かな授業が生徒の心に響くのです。この形態では質問することも、わからないということも言えません。ひたすら自分で受動的に受け入れるしかないのです。当然、この予備校に通っている生徒は私立高校の子もいれば公立高校の通っている子もいます。
要は私立でも公立でも個々人の教師の質の問題なのです。公立の教師の能力が低くて、私立の教師の方が、能力が高いとは一概に言えません。そもそも私立の先生の多くが首都圏では公立の教員採用試験に合格できずに私立の教師になった方も多いはずです。しかし、私立では教師間の競争が激しいことも事実です。なぜなら生徒からの人気(信頼)がなければ解雇される可能性もあるからです。
私立へ行くメリットはよく「面倒見がよい」「進学率が高い」「施設が充実している」とか言われています。確かに、勉強ができない生徒も卒業できるようにしてくれます。進学に関しても生徒の意向を汲んでOA入試など積極的にアドバイスしてくれます。公立では淡々と授業が進み、進路指導も本人任せが多いのが現実です。教科で赤点(落第点)をとったり、遅刻が多いまたは出席日数がたりないと進級できないこともあります。意外とこの辺は厳しさがあります。(当然と言えば当然です。勉強もしていないのに進級できるはずがありません。)
私立では少子化の対策として、施設の充実や部活動の活性化をして生徒を呼び込もうとしています。〇×大会優勝とか全国大会の出場などいろいろなジャンルで個性(差別化)を出そうと必死です。よって、その活動の費用や施設の新設、管理は当然親が負担することになります。公立高校では施設の充実はありえません。よって親の負担もありません。
正直言って、私立でも公立でも落ちこぼれた生徒を救う学校はどこにもありません。特に高校生はそうなります。私立では退学をすすめられるか、学校の補講塾へ行くように指導されます。その逆に、私立では勉強ができる子が大切にされます。特待生で学費免除などの優遇は私立しかありません。つまり、学校の実績(大学合格)が欲しいのです。
このように考えると、私立がいいのか公立がいいのかそれぞれメリット、デメリットがありますが、端的に言って私立は費用が公立より倍以上に高いということです。野球・サッカー・ダンス・芸術等で全国大会に出たいとか東大・京大・医学部に入りたいとかいう明確な理由があるのなら私立でもいいと思いますが、そうでないなら公立で十分だと思います。
私自身高校は公立ですが、公立の最大のデメリットは、教師(恩師)が学校を転々と移動してしまうことだと思います。母校を大切に思う心が育たない気がしています。卒業してからも縦や横のつながりがなく、同窓会などを気軽に開催できません。私立の場合はそこがしっかりしています。同窓会名簿があり、先輩・後輩の関係性が一生続き、付き合いも永続します。この辺公立高校で全くありません。(一部の高校ではあるようですが)
まとめ
勉強や進学に関しては、公立でも私立でも本人次第です。費用が高くても自分のやりたいことがあれば私立にした方がよいでしょう。そうでなければ公立で十分だと思います。
近年中学受験が人気(?)で、今年は受験生が最多になったと報道されました。そして、我が港北フットボールクラブ(サッカーのクラブ)のメンバーにも私立中学の生徒が増えてきたと聞きました。私立中学なのにまともなサッカー部がないの??学校も部活もともにお金が発生する??私立中学へ行く意味は何なのか?私立受験ブームですが、中学受験に関して私はあまり良い印象はありません。中高一貫教育が進学には時間的、精神的に良い結果をもたらすと言われていますが、果たして本当でしょうか?「進学」という側面しか考えていない気がしてなりません。そもそも「学校」とは私は「社会の縮図」だと考えています。大人になって社会人になるための準備期間を過ごす場所という定義です。そのためにはいろいろな人間が必要なのです。生徒である子どもと社会人である教師、賢い子、勉強が苦手な子、スポーツや芸術が得意な子、不器用な子、まともな教師、不真面目な教師などいろいろな人間がいて成り立っているのが世の中(社会)なのです。ですから早い段階で私立学校へ行った子は、同じような経済状況の子、同じような真面目な子、同じような能力の子が集まった社会で生活することになります。教師(学校側)にとって指導(管理)しやすい環境であり、子どもたちにとっても居心地の良い場所となります。色々な葛藤や差別が少ない社会に長年漬かることになります。果たしてこれで子どもたちが大人になっていいのでしょうか?代々政治家の家に生まれ、国会議員に何年も当選している二世・三世議員の皆様が庶民の暮らしなどわからないのと同じ現象がおこる気がしてなりません。昔、麻生元総理大臣がカップラーメンの値段を記者から質問され「500円くらいでしょ。安いもんだ」と言って批判を受けたことがありましたね。そういう世界で生きてきた人間なのです。
追伸 日本維新の会が推進している「公立・私立の高校の無償化」について、前述のとおり私立は生き残りをかけて施設の充実(体育館・講堂・グランドの整備、校舎のリフォーム)や教育システム化(デジタルデバイス教育推進のため)の充実のために膨大な費用をかけています。それらをすべて負担するのが生徒の親なのです。補助金はびびたるもんです。45万円を上限に所得制限のない授業料だけを無償化する案が今国会で成立しました。そんな中で大阪や鹿児島では公立高校の定員割れが増加している現状です。なぜ私立学校の授業料を無償化するのか?私にはよくわかりません。経済的に苦しいのなら公立へ行くべきです。そのためには公立の門戸をもっと広げればいい話です。大阪維新の会が盛んに推奨する理由がわかりません。私立はどこの国へ行っても高額なのです。ハーバード大学では年間授業料だけで850万円するそうです。生活費を負わせると有に1千万円を超えます。つまり、どこの世界でも私立学校はお金持ちが通うところなのです。日本は他国に比べ私立学校が多すぎると感じています。教育がお金稼ぎの手段となっているのです。教育という高尚な仕事つかって金儲けをしている企業がどれほどあるか。日本大学は以前?今も?「日本大学株式会社」と揶揄されました。大義名分を振りかざし、そんな私立の小・中・高・大がいっぱい存在するのです。お金儲けのために…そこに維新の会は国民みんなの税金を投入しようとしているのです。まさに、お金持ち・高額納税者優遇政策を推し進めているのです。誰のために?一見国民のために見えますが、実はお金儲けや選挙のための政策なのです。私は、逆に私立を減らし公立学校(高校、大学)を増やして、勉強したい人は大学まで公立の場合は無償化すればいいと思っています。勉強したい、研究したい、もう一度やり直したい人のために教育は無償化すべきです。北欧ではそれが当たり前なのです。なぜなら、教育こそが国家の基盤であり、安全・安心で豊かな生活を保障してくれる国家の創設には欠かせないものなのです。よって、貧富の差に関係なく教育の機会均等を保障することが政治の根幹の一つなのです。ちなみに、私立の授業料が無償化されても、施設管理費や制服等の費用、修学旅行代、部活動への寄付・支援費、副教材、夏期講習代などなど私立では公立にない様々な費用が必要となります。これが現実です。