久しぶりの「抵抗」にちょっと一言

久しぶりにウキウキする政党を見つけました。それは「NHKから国民を守る党」です。名前の通り、NHKの受信料を拒否することを目指す政党です。現在もこの党から出馬し、当選している議員がいることに驚きました。代表の立花孝志氏は元NHK職員で、様々なNHKの不正を週刊文春に内部告発して、NHKから懲戒免職にあった人です。NHKに「NO!」を正々堂々と明言しているところがすごいと思いました。

世の中の不正に「NO」といえる人が現在どれくらいいるでしょうか?昔は、近所のうるさいおばさんに外で騒いでいたら怒られたとか、未成年がタバコを吸っている場面でもその場で「子供はダメだよ!」と注意してくれる大人が普通にいました。だから、子供たちもコソコソと隠れて悪いことを実感しながら背伸びをしていた時代でした。しかし、現在、「見て見ぬふりをする大人」が何と多いことか。「触らぬ神に祟りなし」と言わんばかりに子どもたちの顔色を窺っている親が何と多いことか。「ダメなものはダメ」と言える勇気と行動力を身につけなければなりません。子どもたちの将来を憂いて真剣に怒れる人にならなければいけません。

「怒らない」「抵抗しない」ことで、世界の平和を、人類の平和を、民族の平和を乱す歴史が過去にはたくさんありました。最近では、第二次世界大戦の原因となったイギリス首相のドイツへの宥和政策でした。ヒトラーの言動にもっと早くから対処していたら…そして、中国の辛亥革命、魯迅はその著書「阿Q正伝」の中で、清朝にひれ伏す漢民族の「プライドの高さと、何もしない人間」を描き、漢民族を鼓舞しようとしました。人類の歴史は「怒る」「抵抗する」ことで様々な権利を手に入れてきたのです。正直言って「暴力」も時には必要だったのです。江戸時代は約250年間も続きました。その中でもやはり抵抗はありました。「百姓一揆」や「打ちこわし」です。農民も町人も生活が苦しくてやむにやまれぬ抵抗をしたのです。そして、次の時代を作っていったのです。決して、権力者だけの歴史ではないのです。

最近、わが国は「怒り」を忘れているように思います。韓国では大統領の不正に数十万人規模のデモが行われ、政権交代をも実現しています。しかし、わが国では政治家が不正をしても、そのために犠牲者が出ても、テレビでは騒がれますが、国民的反政府運動までにはなりません。それどころか、「臭いものには蓋をしろ」と言わんばかりに、自分の身内である公務員をバッサバッサと首にします。自分の責任逃れを素早くし、あとは話をすり替えます。だ~れも「怒り」ません。時が過ぎれば、金切り声を上げて「キャー!〇×さん」と応援します。

「平和ボケ」しているとテレビでいろいろなコメンテーターは言うけれど、本音を話す人もいません。テレビ出演が減るからでしょうか?沖縄の基地問題も沖縄の人は何度も「NO」を表明しているのに、沖縄県民でない人は人ごとのように関心を示しません。まして、テレビのニュース番組に出演している皆様もです。政治家たちも動きません。昔、鳩山元首相が「普天間基地を県外に」と言ったときは、テレビで何度も報道され、議論が白熱したのに、現在ではその発言が悪い評価になっています。

このような「怒り」を忘れた状況に、私は非常に危惧を抱いています。消費税が上がっても文句を言わない。防衛費がGDPの1%をはるかに超えても文句を言わない。定年による年金支給が60歳から65歳に引き上げられても文句を言わない。(ロシアでは暴動が起きましたね)空港の使用料が上がっても(世界一高い空港使用料)文句を言わない。そして、東日本大震災による福島の原発事故で原発の恐ろしさをわかっているのに、いまだに原発に頼ろうとしても文句を言わない。(小泉元総理は反対しているが)、東日本大地震・熊本・北海道の地震の被災地の復興がいまだに終わっていないことに対しても文句を言わない。(震災復興税なるものが給料から引かれていました)高速道路の料金をいまだに払い続けていることに文句を言わない。(ヨーロッパでは高速道路は原則無料です)それも、高い料金を払っているのに交通渋滞で高速の意味がないのにです「時間が倍かかったのだからお金を返金しろ!」…逆に交通渋滞予測とかリニューアル工事のため迂回を高らかにテレビ等で報道して誰も違和感がない。これぞ、まさに「平和ボケ」の象徴ではないか?何のために高い税金を投入し、さらに使用料まで払わされていることに誰も文句を言わない。平和な国家日本!

きっとミサイルが落ちても、戦争に巻き込まれないと国民全員が思っているのかもしれないね!戦争に負けたのに、天皇の玉音放送までみんな負けたことを知らされなかったように…

2019年5月1日(水)元号が「平成」から「令和」に変わりました。多くの若者が夜中に渋谷や大阪の道頓堀でどんちゃん騒ぎをしているニュースが飛び込んできました。お祭り好きで、目立ちがたかりのこの若者たちが、あの理不尽な太平洋戦争で散っていった多くの若者と同じように、命を懸けてこの国を守る気概をもっているのでしょうか?そして、愛する人や家族を守れるのでしょうか?「ほめる教育」「ゆとり教育」「受験競争教育」「学歴信仰教育」にどっぷりつかった若者たちが権力者に「抵抗」できるのでしょうか?とにかく平和を祈ります!