フェアプレーだけでサッカーの試合に勝てるか?
SNS上でおぎやはぎのメンバーの小木氏が今回のアメリカワールドカップの件でコメントを寄せていました。「アルゼンチンのラフプレーが多くて、今回はキレイなサッカーをする日本は素晴らしいとすごく思うね。フェアプレー精神すごいじゃん。アルゼンチン見たら、これ酷いなと思って。終わった後も、殴り合いしているんだから。あれはよくないよ。ダメだよ。」「サッカーだけなんだよ、ああいうスポーツマンシップがないやつ。サッカーだけ、反則受けてないのに痛がったり、倒れこんで。あんなの他のスポーツどこにもないからね。」「これから直さないといけない。サッカーって、今回ガッカリしたのはそこなんだよな。スポーツマンシップが1つもないんだよ」と苦言を呈した。
W杯からアルゼンチンを追放せよ!という署名運動の数がギネスに掲載されるかもしれないくらい、今回のアルゼンチンのラフプレーに対して世界中から抗議がよせられています。決勝進出したチームがこれほど非難されるのは前代未聞です。今回の大会は前代未聞だらけでした。アメリカチームの選手のレッドカードで1試合出場停止が保留されたり、チケットがダイナミック・プライシング(需要に応じて高騰する)で、転売もOKだった、選手の体調管理と称して3分間のハイドレーションブレイクがあったり(テレビの宣伝を入れたいというスポンサーの要望?)、最大のものは決勝戦のハーフタイムショウでした。サッカーのルールではハーフタイムの休憩は15分以内が、27分間となり、有名な芸能人が歌を歌い、その場を盛り上げたまました。???アメリカンフットボールの試合では当たり前のようですが。商業主義と各方面から指摘され、その通りアメリカの資本主義社会による傲慢で利益中心の大会でした。決勝のチケットで最低が約111万円、最高が約4200万円の高値がつきました。金持ちしか観戦できないまさに商業主義の大会でした。サッカーが庶民のスポーツからお金持ちのスポーツになりました。まるで、トランプしかり、大企業の社長さんしかり、日本では有名人や国会議員のたしなみのゴルフのようです。
しかし、私は今回のサッカー大会は悔しいけれど面白かったと感じています。出場国を増やしたことが要因ですが、点数がたくさん入り、それも各国の一流で有名選手が得点を重ねました。今までの大会はやはり勝ちにこだわりすぎて凡戦、つまり負けないサッカーが主流となり、点数が入りにくかったと感じていました。実は今回アルゼンチンは負けないサッカーをした結果がラフプレー(深いタックル)の多さにつながったと思います。それでも、決勝トーナメントからは苦戦続きで、延長戦をものにして決勝まで上り詰めたのはさすがだと思いました。そのラフプレーをかいくぐって勝利を得たスペインのサッカーは圧巻でした。パスの精度とスピード、追い詰められても焦らない技術の高さと精神力の強さ、蹴ったら走る、パス&ゴー(サッカーの基本中の基本)、トライアングルを作ってパスコースを常に複数持つセンスの良さ。プレスバック(ボールを失ったフォワードがすぐに守備につく)の忠実さ。どれもこれも一級品だとおもいました。日本が「優勝を目指して…」結局1勝2分けで予選リーグを終わり、決勝トーナメント1回戦でブラジルにロスタイムで負ける、あのベルギー戦を思い出しました。日本はあれ以来成長していなかったと感じました。あの時は2点先制して負けました。今回は1点先制して負けました。つまり、守り切れない守備力のなさが露呈しました。デュエル(対峙した時の強さ)のなさでは、日本はまだまだ世界に勝てません。アルゼンチンのラフプレーもその一つなのです。前述した小木氏のコメントは全くのド素人の考えです。ちなみにワールドカップはオリンピックではありません。スポーツマンシップとか言いますが、サッカーは国の威信をかけた国同士の格闘技なのです。オリンピックはある意味アマチュアのスポーツです。技を競い合い、互いに切磋琢磨し、リスペクトする大会なのです。賞金よりも個人の、また国の名誉を大切にするスポーツ大会なのです。今回の大会でスペインは約81億円、アルゼンチンは約53億円、イングランドは約46億円が賞金として分配されました。スポーツマンシップをかざし、きれいなサッカーをしても勝てないのが現実なのです。ブラジル人がよく日本のサッカーに足りないのはマリーシア(ずる賢さ)と言われてきました。小木氏はサッカーの本質を理解していないようでした。勝つためにみんな必死で戦っているのです。コーナーキックの時のゴール前での小競り合い、あらゆる1対1の場面での競り合いや駆け引きなど各国の選手は命がけで戦っているのです。そんな中でスポーツマンシップといって勝負に負けていたら日本の優勝などありえません。これが現実なのです。戦争はいけない、平和が大切と言いながら武器を持たない、作らないでは、突然他国が侵略してきたら簡単に負けてしまうのです。自分の愛する人や家族も、国も守れない平和ボケの人たちが国を滅ぼすのです。YouTubeで久保建英が少年にサッカーを教えている動画がありました。彼はドリブル突破のデモンストレーションでこんなことを主張しました。「最初のパターンは相手を技術で抜き去りました。次のパターンはどうしたと思う?・・・ズルをしたのです。サッカーは相手との駆け引きです。ズルをすることも大切です」と幼少時代からスペインのバルセロナで活躍していた彼ならではの意見でした。サッカーはそういうスポーツなのです。小木氏の言うようなきれいごとで素晴らしいサッカーでは勝てないのです。

