中国でも忖度芸能人!

ジャッキー・チェンも中国政府に忖度

中国が香港で反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入を決定したことについて、人気俳優のジャッキー・チェンさんら2千人を超える香港の芸能関係者が、31日までに連名で支持を表明した。 新たな法制が施行されると、表現や言論の自由が圧迫される可能性も指摘されているが、声明は「国家の安全を守る重要性は十分に理解できる」としている。  ジャッキー・チェンさんは中国の国政諮問機関、全国政治協商会議の委員を務めるなど中国との関係も深く、署名リストの先頭に名前がある。  署名が呼びかけられた経緯は不明で、チェンさんらのコメントも伝わっていない。香港の芸能界にとって中国本土は重要な市場で、ネット上では「支持を表明しなければ、中国で活動ができなくなるのだろう」と背景を推し量る書き込みが出ている。(香港=益満雄一郎)…1925年日本で成立した治安維持法のようなもの?

中国という国家はその体制(共産党一党独裁)の維持のために、どんなことでもする国だ。その一つが経済統制だ。そもそも共産主義社会では、みんなの意見が一致していないと成立しない社会なのだ。自由競争などあってはならない社会体制のはずなのに、国際社会の中で中華思想(中国が世界の中心)を推し進めるために資本主義を導入したことで、国民が私有財産を多く持つようになった。そして、世界とのつながりが増え、いろいろな意見や考えが出てきたことで国民の意識も変化してきたのだ。しかし、北朝鮮もそうだが、個人的な自由と国家の繁栄は彼らの国では同一ではない。個人の自由な経済活動は国家(共産党)に支えられて初めて可能なのだということを強く主張している。国家の下での経済活動で、市場原理でのものではないのである。よって資本家?は中国政府の保護のもとで巨大化してくる。明治時代の三井や三菱などの財閥形成の過程とよくにている。ファーウェイもバイドゥもアリババもテンセントもみんな後ろ盾は中国共産党である。だから一挙に世界規模の大企業に拡大していくのだ。この構造はこれからも続くだろう。二つ目は国民への監視体制(思想統制)だ。よく日本は「ITC(情報通信技術)に関して世界から遅れている」とか言われているが、このITCを利用して国民の一人一人をすべて監視し管理を強めることで思想を統制しようとしている中国の真似はよくないと思っている。キャッシュレス社会やオンラインビジネスなど一見すると近未来的な社会の到来を期待する向きもあるが、これこそ監視社会の入り口である。思想を含むすべての個人情報が国家の権力者に筒抜けになるのである。元アメリカNASのスノーデン氏が暴露したアメリカの盗聴システムのように、あらゆる情報(通話記録なども)がインターネットや携帯電話を使うことで、どこにいても、どんな国でも、個人の情報を奪うことができるようになったのです。もちろんこれは、もともとテロリストを探し出し、テロ防止のためのシステムだったのですが、中国政府はそれを国民統制(管理)の道具にしたのです。権力を持つものがこの情報を手にし、不穏分子の排除に使われ始めたのです。

今回の件で、中国でも芸能界を使って、その圧力を強めているにすぎません。悲しい現実です。先ほど日本では芸能人や法曹界の権威ある人たちの行動で、司法制度に関わる検察官の定年延長問題を頓挫させることに成功しました。政府に忖度しない有名人や著名人・知識人が反対してくれたから阻止できたのです。多くの国民の声で、一応、司法権への行政権の介入を阻止できたことはとても素晴らしいことだと思います。が、これもひとえに彼らが政府寄りに忖度しなかったおかげなのです。

ジャッキーチェンには少し失望しました。これでは香港の未来は悲しい結末になるしかありません。有名人や著名人を味方につけなければこの騒動は権力者の勝利に終わるでしょう。そして、一国二制度もこれで崩壊です。次は台湾がターゲットになるでしょう。WHO(世界保健機関)が新型コロナウィルス対策で成功した台湾をオブザーバーとして招待しなかったのも、事務局長のテドロス氏(エチオピア人)の中国への忖度でしょう。アフリカも巻き込まれる可能性が高いですね。