代表あいさつ

保護者の皆様へ 港北学館創設の経緯について

はじめまして、私、柳澤虎三郎は斎藤分小学校→六角橋中学校→県立港北高校→法政大学文学部教育学科を卒業し、一校舎600人規模の某学習塾に15年間在籍しました。指導生徒数は延べ2000人以上です。塾業界はここ10年間大きく発展してきましたが、それとは逆に、生徒を取り巻く状況は年を追って悪化してきました。最近では学級崩壊、学校崩壊さらには学力崩壊と学校環境だけでなく、生徒自身の学力そのものに疑問が生じてきました。

では、なぜそのような事態になってしまったのでしょうか。私はその原因が公教育だけにあるのでなく、塾業界または教育産業全体にあると確信するようになったのです。

昨今の子どもをみて感じたことは一言でいうなら「過保護に育てられている。」ということでした。私たち塾業界がしてきたことは、子どもの自主性や個性を無視した盲目的な詰め込み教育、効率や経済効果だけを考えた「手取り足取り」のまさに「過保護」教育だったのです。

そのことに気づいたのがここ数年の生徒たちの反応でした。成績を伸ばすだけ伸ばしてトップ高校へ入れた挙句、教師が毎回授業で口走る言葉が「宿題やったか?」「また忘れたの?」、生徒からは「宿題が多い」「勉強が面白くない」「学校の授業が早くてついていけない」というものでした。

また、こんなこともありました。桐蔭高校理数科へ入学したA君、非常にまじめで、スポーツもできる万能型の生徒でした。横浜市大の医学部へ合格し、医者の卵として大学生活を過ごしていました。そんなある日、私のところに家庭教師のことで、相談にきました。そのときのやりとりです。「ところで、どの科へ進むの?外科・内科・小児科?」「まだわかりません」「どうして医学部を選んだの?」「たまたま偏差値が高かったからです。」「自分の進路が分からなかったので、偏差値でなんとなく決めました。」と私は愕然としました。そして、本当にショックでした。私たちのしてきた教育が何だったのか?「本当に医者になりたくて、なりたくて一生懸命勉強しているのに、経済的なことで断念している多くの受験生がいるというのに・・・」

高校生にもなってなぜもっと主体的に勉強ができないのか?知識を獲得することの楽しさがなぜ分からないのか?そして、彼らは何のために勉強し、何のために大学へ行こうとするのか?無目的に偏差値で大学を決定し、ただなんとなく学生生活を送っているようにしか私には感じられなかったのです。「物事に対するなぜだ?」という問いも彼らにはありませんでした。

しかし、この根本の原因は子どもたちにあるのではなく、大人社会が創り出したモラトリアム社会に起因すると私は考えるようになったのです。社会から遊離された甘い学校生活や点数主義がはびこる学校生活(内申至上主義)が子どもたちの自由も、自主性も、個性も奪ってきたと言えるのではないでしょうか。

そこで、私は学校を創るしかないと考えるようになったのです。そして、その理念はただひとつ

主体的に生きる個性豊かな人間を育てる。

というものでした。
自主的に勉強をすることで、主体的に生きる方策を考え、それを実行することができる人間の育成。私の生業はこれだと考えた次第です。

学校法人というものだけが学校だとは思いません。学校に子どもを押し付け、教師に教育のすべてを任せる時代は終わりましたし、もう限界です。地域社会を活性化させ、効率主義・経済効果だけに追われている大人社会から子どもを守り、彼らの健全な発達を最優先に考えたそんな学校を創設したいという一念で今回の経緯となりました。

何分、まだ、理念的にも怪しいところもありますが、ただただ子どもたちの明るい未来のために自分の全精力をかけて粉骨砕身していきたいと思います。

以上

平成12年12月     港北学館 主宰 柳沢虎三郎(通称トラ先生)