巷で論争のペット搭乗の件について

違和感を感じる日本のペット事情

先日、日本航空と海上保安庁の飛行機が羽田空港で衝突し、炎上した事件で、乗客や乗務員は奇跡的に全員無事で、海上保安庁の乗組員が5名亡くなりました。そんな中、貨物室にいたペットが亡くなるという報道に女優の石田ゆり子さんが「ペットも畿内持ちこみにして欲しい。」とコメントをSNSであげると、大炎上!賛否評論の嵐!石田氏も困りはて謝罪や反省のコメントを発表したが、非難?の声が収まらず結局インスタグラムのコメント欄を閉じることになった。

ペットと暮らして11年目となる私にとって考えさせられることでした。世界中でペットを店で購入するのは日本だけだとか、アメリカでも客室にペット同乗が一部で認められているとか、いろいろな情報がこの事件をきっかけに飛び込んでくるようになりました。

ペット先進国のドイツでは、殺処分ゼロを実現し、散歩をさせる際にノーリードで良いことや、公共施設の立ち入りや公共交通機関にも普通に乗車できる。しかし、犬のしつけや飼い主に対する法律が厳格である。(パリで写真を撮っている暇があったら、日本の国会議員さんも参考にして欲しい)

以下各国の面白い対応を紹介します。

ドイツ 犬だけを長時間留守番させてはいけない 外気温が21度を超える場合、車内に犬を置き去りにしてはいけない 1日最低2回、合計3時間以上、屋外へ連れて行かなければならない …ドイツでは犬の所有者に犬税なる税金がある。

スウェーデン 犬も猫も、ケージの中で飼育は禁止 犬は6時間に1回は散歩させる 家を借りる時、ペット飼育の許可は不要…結構余裕のある家でないと無理だよね~散歩長い!

イギリス ペットにしつけ以外で不要な苦痛を与えてはいけない

オーストラリア ドーベルマンの尻尾を切ることは禁止 サーカスで野生動物を出演させてはいけない…昔、生徒からカンガルーの睾丸の入れ物をもらったことがありますが??

また、上記のどの国もペットショップでの犬・猫の販売禁止でした。ペットが欲しい人はブリーダーさんが管理し、しつけや飼い主の適性を判断されて譲渡されるようです。

ちょっと調べてみましたが、日本では考えられない面白いものがたくさんありますね。でもこれらは動物と人とが同じ目線で、同じように愛するために考案された内容なのですね。さすがヨーロッパ、民族的に常に狩猟犬とともに生きてきた長い歴史を感じます。

巷では、犬猫アレルギーや犬が嫌いな人もいるのでペットと同乗させることに反対する意見やそもそも緊急時にペットは邪魔であるという意見もありました。確かに、犬嫌いの人にとっては、大型犬などは、吠える声も大きいし、威圧感もあります。しかし、実は大型犬の方が人間に従順で大人しく、人懐っこいのも事実です。飛行機搭乗に関しては私も大型犬は別として、小型犬や猫なら犬用のバックに入れたりすればなんら問題ないと思っている方です。フライト時間にもよりますが6時間くらいは大人しくしてくれます。

私が日頃いつも違和感を感じていることの一つは、犬のおしっこの処理です。犬の糞を路上に放置しておくことはさておき、おしっこに対して水を皆さんかけています。もちろん他人の家や壁においては水をかけることは当然ですが、公園の草むらや電信柱にも水をかけている飼い主もいます。私には???です。犬の習性であるマーキングは大切な犬の行為です。ヨーロッパではどうなのでしょうか?しつけが厳しいと言ってもマーキングまで制限されているのでしょうか?そもそも犬のおしっこや糞ごときで清潔だ、不潔だと言っていること自体が私にはナンセンスに思えてなりません。イギリスではサッカー場の中に犬や馬が警備に使われ、おしっこも糞も垂れ流し状態でした。私が小学生のころ、近くの神社でお祭りがあると牛で山車を神社まで引く行事があって、子供たちが牛を引っ張るのですが、牛は歩きながらウンチやおしっこをしていました。当時は、それが日本でも当たり前の世界でした。最近の都会では家の外も、家の中もきれいになり、社会が無菌状態を容認しすぎて、寛容な精神がなくなってきているような気がします。ある朝、愛犬の散歩中、電柱におしっこをした我がペットに対して、通行人がさりげなく私に「汚いんだよ。常識がない奴だ。」と陰口をささやきました。「犬のおしっこぐらいでガタガタほざくな!ケツの穴の小さい奴め!」と私は思いました。それに、ヨーロッパではお酒より水の方が貴重なので、おしっこをした後を水で洗い流すことなどありえないと思います。これは水が豊富な日本ならではの習慣です。

次の違和感を感じるのは、ペット同伴の飲食店があれば、禁止のお店もあります。その差は何なのでしょうか?人で混雑するような場所ならいざ知らず、無駄吠えをしたり、おしっこなどをしない(させない)限り、どこの店でも入れるようにするのが普通ではないでしょうか?飲食店に限らず、宿泊施設や食料品以外のアパレルショップや雑貨店でなぜペットが入れないのか疑問です。愛犬におしっこをさせないようなマナーベルトをつけたり、ベビーカーならずペットカートに入れれば、どこのお店にも入れるようにして欲しいものです。犬の種類や大きさにもよりますが、犬というだけですべてひとくくりされては困ります。

さらに公共施設や神社仏閣などの観光地での入場禁止にも???がつきます。鎌倉の鶴岡八幡宮しかり、鎌倉の荏柄神社(学問の神様で有名で受験生はみんな行くところ)も、昔は普通に入れた神社が突然入場禁止になることが最近になって多々見受けられました。本来、神社などは八百万の神を祭るために造られたのでは?『日本の神道は、古くから日本に根付いている民族宗教で、八百万の神が信仰の対象で、あらゆる自然物には神が宿ると考えられています。』と書いてありました。にもかかわらず、犬は自然物ではない??結局、現代人が人間の都合のいいように解釈し?くだらないルールや決め、人間中心の考え方を押しつけているにすぎないのです。「犬が苦手な人がいる」「犬アレルギー」という少数の考えがすべてにおいて優先されるのです。この考え、つまり、小数の意見の尊重という考えや潔癖症という思想が、現在日本全体に蔓延しているように感じます。除夜の鐘問題、伝統的な秋田のなまはげの問題、公共的な餅つきの禁止などなど、世知辛い世の中になったような気がします。このような現状の原因はどこにあるのか?やはり、私は伝統や自然を無視した利益優先の資本主義社会だと思っています。お客様をたくさん集客するためには、無駄なスペースや余分な経費をなくすこと、効率の良い仕事を確立すること、よって、ペット同伴は禁止となる。小売店も、観光地も、神社仏閣も、居住空間でも、そして、山や海などの自然環境でさえも儲けるためにペットを排除しようとするのです。少数意見の尊重のために!?

アメリカでは、大統領の居住するホワイトハウスでの中にも犬が放し飼いになっています!