代表あいさつ

保護者の皆様へ 

はじめまして、私、柳澤虎三郎は斎藤分小学校→六角橋中学校→県立港北高校→法政大学を卒業し、一校舎600人規模の某学習塾に15年間在籍しました。その後独立し、現在に至っています。

この仕事を続けて40年が過ぎようとしています。

いろいろな教育の波がありました。受験戦争から一転「ゆとり教育」、そして、ゆとり教育からの脱却、プログレッシブ教育、ほめる教育、体育にヒップホップダンスの必修、英語が小学生に必修、大学では共通一次試験からセンター試験、そして、共通テストと変遷してきました。英語では会話重視の傾向が教育界全体に広がってきました。今後も文部科学省が指導して次々と教育の姿が変化していくでしょう。

しかし、どうでしょうか?私たち国民は時の政府の朝令暮改や様々な企業の思惑によって振り回されてきました。例えば、英検やTOEICなどの行う企業によって入試の材料とされたり、進研ゼミで有名なベネッセコーポレーションなどはなぜか公立高校の大学受験模擬試験に参入しています。(神奈川県では多くの公立高校で実施されています)以前は代々木ゼミナールや河合塾、駿台予備校など学校外で模擬試験を個人で受けていたものが、学校の中のカリキュラムに参入してきているのです。競争入札を受けての参加なのかどうかはわかりません。※他県ではわかりません。

大学の英語の共通テストでリスニングの配点が多くなったのも、TOEICやトフルの影響かもしれません。時代の要請と政治家や学者たちは言うかもしれませんが、果たして本当でしょうか?教育を利用してお金稼ぎをしているようにしか私には感じられません。学習指導要綱が変われば、すべての教科書、市販の参考書、問題集などが売れるのです。これを無駄遣いと言えないでしょうか?多額の税金も投入されているのです。時間がくると全とっかえを繰り返しています。文部科学省や教科書会社の思うつぼなのです。

正直に言います。今も昔も勉強ができる子には共通点があります。これは歴然とした事実です。どんなに勉強の内容が変化しても対応できる力がある子は存在するのです。簡潔に言うと以下の能力がある子です。

①真面目であること ②正直であること ③丁寧さがあること ④集中力があること

⑤忍耐力があること ⑥活動的なこと

この6つです。特に変わった能力ではありません。この能力は誰でも身に着けることができます。ですからこのような子が本気で勉強をすれば誰でも成績や学力は向上するのです。能力に差がないとはこういうことです。ただ現実には、子どもたちは成長していきます。その時々で反抗期や倦怠期など様々な社会的不適合をしながら大人になっていくのです。ですから、子育ては難しいのです。私が思うに、これらの能力が学齢期(小学校にあがるとき)になったときまでに備わっている子は勉強にすんなり入っていけると考えます。そうでないといろいろと対立を繰り返しながらこれらの能力を培うことになります。ですから、子育てには時間がかかるのです。

今を生きる子供たちに大切な力とは何でしょうか?

一番大切なのはコミュニケーション能力と言われます。確かにこの力は自分の能力を最大限に発揮したいときに役に立ちます。ですから、スポーツクラブ・楽団・演劇団などの集団的活動をする必要があります。これは決してオンラインゲームやSNSでの交渉では無理なのです。人間との関わり合いの中でしかつくられないので、この能力がなければ、人生の困難や危機を乗り越えられないかもしれません。人の話をよく聞き、そして、自分の意見を相手に丁寧に伝える能力こそが人間たるゆえんだと考えます。

次に文章理解力を向上させることです。最近では反射的な遊びが増えてじっくり考えることが少ないような気がします。テレビゲームを筆頭に、ティックトックなどの映像やスマホなどの動作性などにも言えるかもしれません。答えを急ぐ傾向が、じっくり試行錯誤をしながら考えることが苦手になっていくことにつながっていると考えます。本を読む習慣は、人間にとって今も昔も大切な能力の一つです。ぜひ、お子さんを読書好きな子供にしてください。そうすれば自然と無理なく勉強ができるようになります。論理的思考能力も培うなど読書は一石二鳥なのです。プログラミングの教室が流行っていますが、やはりここでも大切な力は推理力と論理的な思考回路です。芸能人のカズレーザーさん、年間に200冊は読むそうです。元SMAPの中居正広さんも意外と知られていませんが読書家です。将棋の世界では藤井翔太君、スポーツの世界では大リーグのレジェンド大谷翔平さんも読書家として有名なのです。

そして、行動力です。最近の子どもたちはテレビゲームなどの影響で、外で、みんなで遊ぶ傾向にありません。これは非常に由々しきことです。何かに向かって邁進するためには動くしか道は開けません。ですから、幼少期から外出を繰り返して、外で遊ぶ楽しさや逆に怖さを体験させる必要があります。夜空を見る、海や川で泳ぐ、山に登る、もちろん観光旅行でもOKです。とにかく、家から離れることです。親がインドア派なので外出は億劫と言っていては子どの勉強に影響があるとお考え下さい。すべては自立していく子供のためなのです。最近、成年でも引きこもりが40万人いると言われています。これでは将来の日本が心配です。日本の明治維新の立役者である坂本龍馬の行動力を思い出してください。

最後に忍耐力です。最近の子どもは「ほめる教育」のためか怒られ慣れていない子、自己肯定感が強い子が多いと感じます。怒られるとすぐに委縮したり、自己の正当性を主張しようとして、逆切れする場合もあります。自分がすべて正しいと錯覚している子供がいます。甘やかしもここまでくると呆れてしまします。人の話を聞いて我慢する力、反省する力、勉強でも仕事でも遊びでも長い時間耐えられる力が必要なのです。この力の確保のためには、好きなことを見つけることです。自分のやりたい事(趣味)を見つけ、そのことに没頭することができれば、どんなつらいことでも我慢してやり抜く力が身に付きます。どんなことでもお子さんが何かに夢中になっているときは、親は全力でそのことに投資してあげてください。

上記にあげた必要な力とは決して生まれ持った能力ではありません。生活をしながら徐々に培う能力なのです。幼い頃から、子育てをしながら、愛情を注ぎながら、時には対立し、時には厳しく叱り、叱咤激励して培っていく能力なのです。決して、生まれ持った才能ではないということです。(実際は生まれつきそういう才能を持った子どもも存在しますが、それは稀です)

港北学館が目指すもの

当学館では、その能力を勉強という手段を使って身に着けさせる塾なのです。決して点数至上主義ではなく、個々人の成長を考えながら、各自の個性に合わせることで、上記の能力を養っていきます。その過程の結果として学力や成績の向上があると信じているからです。当学館が目指すものは「グライダーではなく自力で飛ぶ飛行機になれ!」という考えです。ある有名人が言っていた言葉です。グライダーはまず誰かの力で飛び始め、次に風の力で飛びます。そして、風の向きによって行き先が左右されます。そうではなくて、風に関係なく自分の道を進めるようになれ!ということです。自分の力で勉強して、自分の夢をつかみとれる人の育成。それが当学館の目指すところです。具体的には、勉強の仕方、勉強の心構え、勉強の楽しさを伝え、勉強が未来を創ることの大切さを教えています。

最後に、親にお願いしたい事

1年や2年間で成績が上がらないとすぐに塾を辞めさせる親がいます。これを塾ジプシーと呼んでいます。「継続は力なり」とわかっていながらも、周りの情報に翻弄され、「場所を変えれば子供が変わるかも」と子供の激変を期待して塾を次々変える親がいます。先ほども述べたように、子育てには時間が必要です。今まで子育てを「さぼってきた」分、成長するためにはそれ以上の時間と労力が必要なのです。「焦らないで」下さい。焦れば焦るほど、親子の対立が生まれるだけです。そして、混乱を生じます。誰でも子育ては苦労の連続です。子供の伸びる力を信じるしかありません。もし、本気で子供の学力を伸ばしたいなら、上述したような能力を延ばす生活習慣に家族が変わることです。家族全員が変わらなければ、子供だけ変わることはできません。コミュニケーションをとっていますか?いろいろと外に出かけていますか?本をたくさん読んでいますか?子供だけでなく親も我慢していますか?自分に問いかけてみてください。英語を幼少時から習わしているのにいっこうに話せるようにならないのは子供の能力ではなく、英語を話す環境(家庭内)がないだけなのです。すべてのこと(考えること、行動すること)を英語でしなければ身に付きません。それと同じなのです。知的好奇心を育てたければそういう家庭環境を用意しなければなりません。塾はその手助けをするだけです。塾に入れておけば、進学は大丈夫という考えは間違っています。勉強ができる子はその下地がすでに備わっているのです。ですから学齢期前の育て方が将来を左右すると言われるのです。もし、もう遅かったと感じているなら、今度は塾を、プロの教師を信頼していただきたいと思います。