そこが知りたい! 政府の「骨太の方針」って何?
参議院選挙を前に、岸田総理は「骨太の方針」を閣議決定しました。
一番の目玉は、資産所得倍増計画です。個人の金融資産を貯蓄から投資に向かわせることです。日本の個人金融資産の合計が約2千兆円で、ここ10年で33.6%増加しています。そしてこの金額はアメリカに次いで世界第2位です。一世帯当たりでは世界12位(2020年)となります。政府はここに目を付けました。(アメリカの要請かもしれません)企業の経済回復のため、企業に投資を促す政策をとろうとしています。そのためには投資減税などして、投資いやすい環境をつくるはずです。現在でも株式投資で得た収入の20%が税金です。所得税の累進課税制度による最高税率が40%~50%の日本では、投資にお金を回した方が、税金逃れができる仕組みになっています。(現在、金融資産の増税も検討されていましたが、凍結状態です)
次にウクライナ戦争における影響で防衛費をGDPの1%から2%以上に引き上げることを明言しました。つまり、アメリカから最新兵器を購入することになります。2021年度5兆5千億円で最近では平均して5兆円台をキープしています。中国やロシア、そして北朝鮮の動きに対して防衛(有事)のために今までの倍額の10兆円が使われることになります。ちなみに日本の軍事費は2021年度で世界9位でした。2%で倍額にするとアメリカ、中国についで世界第3位になります。ロシア、イギリスなどを抜かします。
そして、2025年までに財政健全化を図ることが盛り込まれました。財政健全化とは国や地方公共団体などの公的部門が、歳入と歳出の差である財政収支(プライマリーバランス)を改善し、借金を削減すること。ほぼ「財政再建」と同義語です。方法とすれば、大きく歳出削減をするか歳入増加をするかの2方法です。歳入増加はもちろん税金(租税)を上げることで、歳出削減は公務員数削減、軍事費、公共事業費、社会保障費の削減策、いわゆる公的部門のスリム化がとられることが一般的です。(すこし、上記の記事と矛盾しているかもしれません)
上記のスリム化(公務員数削減)の一つとして、「水道の民営化」をしようとしています。逆に歳入の確保のために「スポーツ賭博解禁案」が進行中です。野球・バスケットボール・その他のメジャースポーツでサッカーのtotoのように賭け事が行われようとしています。
追加としては「歯科検診の義務化」も検討中です。もちろん義務で行うからには公費が投入されてほしいものですが、わかりません。国民の健康寿命の向上と、老齢人口の医療費負担の削減のためという大義名分としてこの案があがってきたようです。
「新資本主義」なる言葉も岸田総理は言い出しました。これは小泉内閣以降の新自由主義的な経済から脱却し、「成長と分配の好循環」や「コロナ後の新しい社会の開拓」を目指すとしています。彼曰く「分配なくして次の成長はなし」と
以上、岸田政権になってこれからの方針を簡単にまとめました。いかがでしょうか?
私的には、お金を貯蓄しないで投資に回せ??と、なぜ、国民は貯蓄をするのでしょうか?老後の費用は「2000万円以上ないとだめだ」みたいな記事が報道され、医療費も高齢になってから、介護保険(40歳から)や後期高齢者医療費(75歳から)など請求され、親が万一介護施設に入ったら、一財産がなくなり、まして有料の老人ホームに誰でも自由に入れない現実があり、日本の老後はお金がないと心配だらけなのです。まして、「投資に!」これはギャンブルに過ぎません。リスクを伴うものです。ハイリスク=ハイリターン、ローリスク=ローリターンなので、結局お金をたくさん持っている人が得するのです。本来、投資はお金に余裕がある人が行うものだと私は思います。生活するうえで庶民はお金が何かと入用です。儲かるかわからない投資に多くの人々がかかわるのは危険すぎます。テレビでは欧米の投資あり方を、日本が後れをとっているかのように報道しています。さらに、欧米では学校で投資の勉強が授業として行われています。実は、日本もこの流れがすでに教育現場にも入ってきています。正直、投資(株の売買含む)は片手間ではできない代物だと私は考えています。よく、投資して一生分のお金が儲かったという30歳前後の若い人がテレビに出演しますが、その人は投資を仕事として日夜やっているのです。自分の仕事をしながら投資(株の売買)などできるはずもありません。先日高橋洋一チャンネルをYouTubeで拝見しましたが、そもそも政治家や公務員はインサイダー取引の恐れがあるので株や投資信託などはできないそうです。陰でやっていれば別ですが。そういう人たちが、どうして(どうやって)こんな政策を推し進めていけるのか不思議でしかありません。
まあ、ロシアのウクライナ侵攻は、北方領土を占領されている日本にとっては他人事ではありません。そろそろ「平和ボケ」から目を覚まして、本格的な自国防衛を考えなければ、ウクライナの二の前になります。憲法9条を改正し、自衛隊との整合性をつけ、そして、アメリカに頼らない防衛システムの構築を急ぐ必要があります。今回のウクライナのアメリカの支援を見る限り、アメリカが日本に軍隊を派遣してくれるか、疑問が残りました。「第3次世界大戦」を危惧してのアメリカの行動ですが・・・・現代社会において、「核兵器」を所有する大国が、自分の都合で侵略をしたのにかかわらず、西側諸国が「第3次世界大戦」を恐れて、代理戦争をウクライナにさせているのが現実です。中国vs台湾、北朝鮮vs韓国、日本vsロシアなど東アジアの動向が気になる21世紀になりました。
つぎに財政再建化計画ですが、すごくきな臭いですね!増税ありきの政策や、利益誘導型の企業と政府が癒着した構造が見え隠れします。「水道の民営化」は、フランス、イギリス、スペイン、アメリカのピッツバーグ州で失敗した例があります。それを踏まえてなお民営化を推し進める政府の政策に疑問を感じざるをえません。そもそも、国鉄も、日本航空も、郵政も、民間が行っていることを国の税金をかけてやる必要があるのかということから始まったはずです。ただし、水道や道路、電気(エネルギー政策)はそもそも社会の基盤産業です。それがなければ社会生活が成り立たなくなる分野です。そういうものを民営化して、儲ける企業を創り出すことが主権者である国民を食い物にしているとしか考えられません。税金しかりです。どうも、麻生太郎衆議院議員の親族(民間の水道会社)がこの案を取りまとめているらしいのです。きな臭いでしょう?
最期に、スポーツ賭博解禁案です。以前ギャンブル大国ニッポンと掲載したことがありますが、さらに、さらにです。確かに、イギリスやアメリカでは日常的にやられていますが、だからと言ってまたまたギャンブル公認とは、おそらく文部科学省のスポーツ庁あたりが管轄するかもしれません。財源確保と天下り先の創設ですね。結局、今回の岸田政権もどれもこれも公務員と民間企業の誰か(外国も含む)がお金を儲けることばかりが優先されて、選挙で当選することばかり考え、国民感情は置き去りですね。外国並みに物価も上昇し、税金もまた増えるのでしょうか?物価上昇に比例して賃金や年金支給が上昇すればそれはそれでいいのですが…
将来に(老後)貯蓄をしないでも普通の生活ができれば、みんな貯蓄をしないと思うけどなあ、それが確信できないから、みんな貯蓄に回すよね。投資もいいけど、みんながみんな老後に備えられるほど資産が増えるとも思えないし。政府の意向に従って財産が消えたら誰が責任を取るのですかね?政府のよく言う「自助」だから、仕方がないとでも?いつの時代も安心して暮らせる日本にしたいですね。一部の公務員や大企業の幹部の皆様だけがぼろもうけして、貧富の格差がアメリカのようにならない社会にしたいですね。みなさん、候補者をしっかり調べて、参議院選挙に足を運びましょう!7月10日が投票日です!